家族葬の費用、どう備える?互助会・保険・現金の違い

お墓と葬儀

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家族葬とはいえ、式場・棺・搬送・返礼など、必要な費用はゼロにはなりません。「そのときになって慌てて用意する」のではなく、今のうちに備え方を知っておきましょう。いざというときの負担がぐっと軽くなります。

備え方は大きく分けて3つ。互助会(毎月少しずつ積み立てる)、葬儀保険(少額短期保険)、現金・預金(そのまま貯めておく)です。それぞれ仕組みが違うので、順番に見ていきましょう。

3つの備え方、まずは表で比較

家族葬の費用、どう備える?互助会・保険・現金の違いのイメージイラスト
イメージ(AI生成)

金額の相場は契約内容や商品で幅があります。ここでは「仕組みの違い」を中心に整理します。

備え方 仕組み 受け取り方 気をつけたいこと
互助会 毎月一定額を積み立て、将来の葬儀サービス(施設・祭壇など)と引き換える 現金ではなくサービス提供(役務)で受け取る 途中で解約すると手数料が引かれる。加入した互助会以外の葬儀社では原則使えない
葬儀保険(少額短期保険) 掛け捨て型の保険。1年ごとの更新が基本 死亡時に現金で保険金が支払われる 年齢とともに保険料が上がる、または保険金額が下がるタイプがある。更新をやめると保障もなくなる
現金・預金 普通に貯金しておく 本人名義の口座に置いておく 本人が亡くなると口座は凍結され、家族でもすぐには引き出せなくなる

参考:経済産業省 近畿経済産業局「消費者相談事例|互助会の解約について」

互助会:積み立てが「サービス」に変わる仕組み

互助会は、毎月の掛け金を積み立てて、将来の結婚式や葬儀のサービス提供を受ける仕組みです。銀行の預金とは性質が違います。経済産業大臣の許可を受けた事業者だけが扱える「前払式特定取引」にあたります。

ここが大事なところです。積み立てたお金は現金として戻ってくるわけではありません。契約した互助会のサービス(式場・祭壇など)と引き換える前提になっています。

途中で解約すると、約款に定められた解約手数料や集金費が差し引かれた金額しか戻りません。「積み立てた分がそのまま戻る」と思っていると、思ったより少ない払戻額に驚くことがあります。解約手数料の上限は業界団体(全日本冠婚葬祭互助協会)の標準約款で定められています。早見表で確認できる仕組みです。

また、契約した互助会の会員でなければ使えないサービスです。転居などで別の地域の葬儀社を使うことになった場合、解約するしかないケースもあります。

葬儀保険:現金で受け取れる代わりに、掛け捨て

葬儀保険は「少額短期保険」という種類の保険です。保険金額が少額(数十万円程度)で、契約期間が1年以内という特徴があります。実際には1年ごとに自動更新していく形が一般的です。

互助会と違い、保険金は現金で支払われます。葬儀社を選ばず、受け取った保険金を葬儀費用にも、それ以外の支払いにも自由に充てられるのが特徴です。

保険料の決まり方には2パターンあります。1つは、保険金額が一定で、年齢とともに保険料が上がるタイプ。もう1つは、保険料が一定のまま、保険金額が下がるタイプです。加入できる年齢の上限も商品ごとに違います。ここは商品によって差が大きいところなので、資料請求をして自分の年齢での条件を確認するのが確実です。

掛け捨て型なので、途中で更新をやめると保障もなくなり、それまで払った保険料は戻りません。「元気なうちだけ払って、あとはやめる」という使い方には向かない仕組みだと知っておきましょう。

現金・預金:一番シンプルだが、凍結という壁がある

特別な契約をせず、そのまま貯金しておく方法です。一見いちばんシンプルに思えますが、見落とされやすい壁があります。

本人が亡くなると、金融機関がその事実を知った時点で口座は凍結されます。家族であっても、名義人本人が亡くなった口座からは、通常の手続きではすぐに引き出せません。

この点は、民法の「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」で一部緩和されています。相続人の1人が、他の相続人の同意なしに、家庭裁判所の手続きを経ずに一定額まで払い戻せる制度です。払い戻せる額は「口座残高×3分の1×自分の法定相続分」で計算します。一般的には、同じ金融機関では合計150万円が上限とされています。ただし必要書類の準備や日数がかかります。「葬儀の当日にすぐ現金化できる」とは限りません。

参考:法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」

相続の手続きは、家庭ごとの事情によって進め方が変わります。ここでご紹介したのは一般的な内容です。実際の手続きや金額については、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

口座凍結の仕組みや事前にできる備えは、以前の記事で詳しく整理しています。あわせて読んでおくと安心です。

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互助会を勧める前に、必ず知っておいてほしいこと

ここで大事な注意点をお伝えします。互助会は「積み立てておけば安心」という単純な話ではありません。

確認しておきたいこと 理由
解約時に手数料が引かれる 払戻金は積立額から手数料・集金費を差し引いた額になる(標準約款で上限あり)
積み立ては葬儀費用の全額をまかなうとは限らない 契約プランの範囲を超えるサービス(追加の祭壇装飾・飲食など)は別途費用がかかることがある
契約した互助会以外では使いにくい 転居・葬儀社の変更で、解約以外の選択肢がない場合がある

「積み立てているから大丈夫」と安心しきるのではなく、資料を取り寄せて、解約条件やプランの範囲を自分の目で確認しておくことをおすすめします。

結局、どれを選べばいい?

それぞれに向き・不向きがあります。断定はできませんが、考え方の目安として参考にしてください。

こんな人には 向いている備え方
毎月少しずつ、決まった葬儀社で備えたい 互助会(ただし解約条件を事前に確認)
葬儀社を決めず、現金で自由に使いたい 葬儀保険
すでにまとまった預貯金がある 現金・預金(ただし凍結への備えも合わせて)

1つに絞る必要はありません。互助会と現金、保険と現金というように、組み合わせて備えている家庭も多くあります。ここだけ押さえておけば大丈夫です。まずは資料を取り寄せて、条件を比べてみることから始めてみましょう。

まとめ:焦らず、仕組みを知ってから選ぶ

家族葬の費用への備え方は、互助会・葬儀保険・現金の3つが基本です。どれも一長一短があり、「これが正解」というものはありません。大切なのは、それぞれの仕組みと注意点を知ったうえで、自分の家庭に合う形を選ぶことです。

チェック項目
互助会は解約時に手数料が引かれる仕組みだと理解している
葬儀保険は掛け捨て型で、年齢とともに条件が変わることを確認した
現金は口座凍結の可能性があることを知り、事前の備えも検討した

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