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相続の手続きは、すべて自分でやる方もいれば、専門家に頼む方もいます。どちらが正しいということはありません。まずは、ご自身のケースがどちら寄りかを一緒に確かめてみましょう。
相続人が少なく、財産も預貯金が1〜2行くらいなら、自分で進められることも多いです。反対に、不動産が複数ある、相続人同士があまり交流がない、といったケースもあります。遺言書がなく話し合いがまとまりにくそうなときも同じです。こうした場合は、専門家に頼んだほうが安心なことが少なくありません。
自分でできるか、目安の一覧

まずは全体像をつかむための一覧です。当てはまる数が多いほど、自分だけで進めやすいケースといえます。
| 状況 | 自分でできる可能性が高い | 専門家への相談を考えたい |
|---|---|---|
| 相続人の人数 | 少人数で、みな連絡が取れる | 人数が多い/疎遠な人がいる |
| 財産の内容 | 預貯金が1〜2行のみ | 不動産が複数・株式や事業用資産がある |
| 遺言書 | ある(内容に争いがない) | ない、または内容でもめそう |
| 相続税の申告要否 | 基礎控除内で明らかに不要 | 控除の内か外か微妙、または申告が必要 |
| 相続人同士の関係 | 話し合いがスムーズにできそう | 意見が割れそう・連絡が取りにくい |
ここだけ押さえておけば大丈夫です。すべてを一人で判断しなくても大丈夫です。まず一覧に照らして「自分がどちら寄りか」を見るだけで、次の一歩が決めやすくなります。
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相続税の申告が必要かどうかは慎重に
相続税には「基礎控除」という、税金がかからない金額の枠があります。財産の合計がこの枠に収まっていれば、申告は不要とされています。ただし、不動産の評価額は路線価などをもとに計算するため、素人目には分かりにくいことがあります。
「たぶん控除内だろう」という自己判断だけで済ませないほうが安心です。少しでも微妙だと感じたら、税理士に相談することをおすすめします。相続税の申告漏れは、あとから追徴課税につながることもあるためです。一般的には、専門家に一度確認してもらうと安心です。個別のケースは、税理士など専門家にご相談ください。
登記や書類作成、どこまで自分でやれる?
不動産の名義変更(相続登記)は、2024年(令和6年)4月1日から義務化されました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する、とされています。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。
2024年3月以前に相続した未登記の不動産も対象です。この場合は2027年(令和9年)3月31日までが期限とされています。
書類がそろっていて、話し合いもまとまっているなら、自分で申請することもできます。法務局の窓口で相談しながら進める方も少なくありません。
意外に思うかもしれませんが、登記そのものの手続きは、時間さえかければ自分でも進められる方は多いです。ただし、次のようなときは司法書士に頼んだほうが結果的にスムーズです。
| 頼んだほうがよいケース | 理由 |
|---|---|
| 相続人が多く、書類の収集が大変 | 戸籍謄本の取り寄せ範囲が広がり、時間がかかる |
| 遺産分割協議書の内容が複雑 | 不備があると後日やり直しになる |
| 不動産が複数の市区町村にある | それぞれの法務局とのやり取りが増える |
専門家に頼むとき、見積もりで確かめること
専門家への依頼を考えたら、金額そのものよりも「見積もりに何が含まれているか」を確認するのが大切です。相場の金額だけを見て決めると、あとから追加料金に驚くことがあるためです。
| 確認する項目 | チェックのポイント |
|---|---|
| 着手金の有無 | 相談だけで発生するか、依頼後からかを確認 |
| 登記費用と報酬の内訳 | 登録免許税(実費)と、司法書士・税理士への報酬が分かれているか |
| 追加料金の条件 | 相続人が増えた場合など、どんなときに追加になるか |
| 対応範囲 | 書類収集から申請まで、どこまでやってもらえるか |
ここ、迷いやすいところです。「一式いくら」という案内だけでなく、内訳を書面でもらっておくと、あとで見返せて安心です。あわてなくて大丈夫です。複数の事務所に見積もりを聞いてから決めても、遅くはありません。
費用が心配なときに知っておきたい制度
専門家に相談したいけれど費用が心配、という方には、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助という制度があります。収入や資産が一定の基準内であれば、弁護士・司法書士費用の立て替えを利用できる場合があります。
基準は世帯の人数や住んでいる地域によって変わります。一般的な金額の目安はここでは示しません。まずは法テラスの窓口に確認することをおすすめします。誰でも使える制度ではありませんが、対象になるかどうかは相談してみないと分かりません。
費用を抑えたい方には、簡易な登記の方法もあります。詳しくは相続人申告登記とは?3年に間に合わないときの簡易手続きをご覧ください。
よくある質問
Q. 自分でやってみて、途中から専門家に切り替えることはできますか?
できます。書類収集まで自分で進めて、遺産分割協議書の作成や登記だけを司法書士に頼む、という分担も可能です。事務所によって対応は異なるため、依頼前に相談してみましょう。
Q. 相続税の申告期限に間に合いそうにないときはどうすればいいですか?
相続税の申告と納税には期限があります。間に合わない見込みが分かった時点で、早めに税務署や税理士に相談することをおすすめします。個別の状況によって対応が変わるため、専門家にご確認ください。
今日からできる3つのこと
| やること | ポイント |
|---|---|
| 1. 相続人と財産を書き出す | 人数と、預貯金・不動産の有無をメモにする |
| 2. 不動産があるか確かめる | あれば相続登記の期限(3年以内)を意識する |
| 3. 迷ったら無料相談を予約する | 法テラスや専門家の初回相談から始める |
まとめ:まず一覧で自分のケースを確かめる
相続人の人数、財産の内容、遺言書の有無。この3つを一覧に照らすだけで、自分で進められそうか、専門家に頼んだほうがよさそうかの見当がつきます。迷ったときは、無料相談から始めてみるのも一つの方法です。
相続の手続き、あとで家族が困らないために。
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参考:法務省「相続登記の申請義務化について」/法テラス「民事法律扶助業務」
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