エンディングノートの書き方|最初の1ページに書く3つのこと

エンディングノート

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エンディングノートの書き方に、決まった形式はありません。「何から書けばいいのか分からない」と、表紙を開いたまま手が止まる方は多いものです。あわてなくて大丈夫です。この記事では、最初の1ページに書くとよい3つのことを見ていきます。あわせて、遺言書との違いと、法務局が遺言書を預かる制度の費用・手順も表にまとめました。

エンディングノートの書き方に「正解」はありません

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イメージ(AI生成)

エンディングノート(自分の情報や希望を書き残しておくノート)には、法律で定められた書き方がありません。市販のものでも、大学ノートでも構いません。

順番どおりに埋める必要もありません。書きやすいところから、鉛筆で書いて構いません。気が変わったら、何度でも書き直せます。ここだけ押さえておけば大丈夫です。

大切なのは、完成させることではなく、1行でも書き始めることです。

最初の1ページに書く3つのこと

迷ったら、次の3つから書いてみてください。ご家族がいちばん困りやすいところです。

書くこと 具体的な中身 家族が助かる場面
1. 自分の基本情報 本籍地/健康保険証の記号番号/かかりつけの病院/飲んでいる薬 入院の手続き。搬送先での問診
2. 連絡してほしい人 名前と電話番号を3人ほど。続柄や「学生時代の友人」などの一言 入院や葬儀の連絡先を探すとき
3. お金の置き場所の一覧 銀行名と支店名/証券会社/加入している保険の会社名 口座や保険を探すとき

1つめは、自分の基本情報です。入院や手続きのときに、家族が必ず聞かれることばかりです。とくに本籍地は、本人しか知らないことが少なくありません。

2つめは、連絡してほしい人です。「この人にだけは知らせてほしい」という友人は、家族が知らないことも多いものです。

3つめは、お金の置き場所の一覧です。「どこにあるか」だけで十分に伝わります。

ここまでできたら、ひと休みしましょう。3つ書けたら、もう立派なエンディングノートです。

書かないほうが安心なこと

エンディングノートは、金庫ではありません。家に置いておく紙のノートです。誰の目にも触れる前提で考えます。

項目 ノートへの記載 理由と代わりの方法
銀行名・支店名 書いてよい 家族が探す手がかりになる
口座番号 できれば書かない 通帳を見れば分かる。置き場所だけ書く
暗証番号・パスワード 書かない 盗難・悪用のもとになる。保管方法は別に決める
マイナンバー 書かない 他人に知られてよい番号ではない
スマホやパソコンのID サービス名だけ書く ログイン情報は別管理にする

ノートの置き場所は、家族に口頭で伝えておくと確実です。書いたことを知られていなければ、意味が半分になってしまいます。

スマホやパソコンの中身も、忘れやすいところです。あわせて読みたい:Googleアカウントの死後設定を10分で|無効化管理ツール

エンディングノートと遺言書は、役割が違います

ここ、迷いやすいところです。エンディングノートは、気持ちや情報を伝えるためのもの。一般的には、法律上の効力を持つものではないとされています。

一方、遺言書は民法で書き方が決められています。両者の違いを並べてみます。

くらべる点 エンディングノート 自筆証書遺言
形式の決まり なし。自由に書ける 民法で定められている
法律上の効力 一般的にはないとされる 要件を満たせばある
主な中身 情報・希望・気持ち 財産の分け方など
書き直し いつでも自由 形式を守って書き直す
費用 ノート代のみ 作成は無料。保管制度を使うなら手数料

自筆証書遺言では、本文・日付・氏名をすべて自分の手で書きます。あわせて押印も必要とされています。日付は「令和3年3月吉日」のような書き方では認められません。

なお、財産の一覧表(財産目録)だけは、パソコンで作ったり、通帳のコピーを添えたりできるとされています。その場合は、すべてのページに署名と押印が必要です。

取り扱いは個別の事情で変わります。財産の分け方まで決めたいときは、弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください

法務局が遺言書を預かる制度もあります

自分で書いた遺言書を、法務局(遺言書保管所)に預けられる制度があります。紛失や書きかえの心配が減る仕組みです。

法務省によると、預けた遺言書は長期間保管されます。遺言者の死亡後、原本は50年間、画像データは150年間とされています。さらに、相続が始まったあとの家庭裁判所での検認(けんにん。遺言書を確認する手続き)が不要になります。

保管制度の手数料と手続きの流れ

手数料は法務省が一覧で公表しています。金額は収入印紙で納めます。

手続き 手数料 いつ使うか
遺言書の保管の申請 1通につき3,900円 預けるとき(保管年数にかかわらず定額)
遺言書の閲覧(モニター) 1回につき1,400円 預けた内容を画面で確認するとき
遺言書の閲覧(原本) 1回につき1,700円 現物を見たいとき
遺言書情報証明書の交付 1通につき1,400円 相続の手続きで内容の証明が要るとき
遺言書保管事実証明書の交付 1通につき800円 預けられているか否かだけを調べるとき
保管の申請の撤回・変更の届出 手数料はかからない 預けるのをやめるとき・住所が変わったとき

申請する法務局は、どこでもよいわけではありません。遺言者の住所地・本籍地・所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する遺言書保管所とされています。手順は次の流れです。

手順 やること 持ち物・メモ
1 遺言書を様式に沿って自分で書く A4・片面・ページ番号を記載
2 申請する遺言書保管所を決める 住所地・本籍地・不動産の所在地から選ぶ
3 保管申請書を書き、来庁の予約をする 予約制。日時を押さえる
4 予約日に本人が出向いて申請する 本籍の記載のある住民票の写し/顔写真付きの本人確認書類/手数料3,900円

申請できるのは本人だけです。代理人に頼むことはできないとされています。ここは公正証書遺言と違うところです。

様式にも細かい決まりがあります。用紙はA4で片面のみ。上5ミリ・下10ミリ・左20ミリ・右5ミリ以上の余白を空け、各ページに通し番号を書きます。ホチキスで留めないことも条件です。データとして読み取るための決まりだからです。心配なときは、事前に法務局へ確認しておくと安心です。

預けたことは、家族にどう伝わるか

「預けたのに、気づいてもらえなかったら」と思うかもしれません。制度には、2つの通知の仕組みが用意されています。

通知の種類 誰に届くか 届くきっかけ
関係遺言書保管通知 すべての相続人など関係者 相続人の1人が閲覧・証明書の交付を受けたとき
指定者への通知(死亡時通知) あらかじめ指定した人(最大3名) 遺言者が亡くなったことが確認されたとき

指定者への通知は、申請のときに希望を出しておく仕組みです。指定できる人は相続人に限られません。あわせてエンディングノートにも「法務局に預けた」と一行書いておくと、より確実です。

ただし、法務局は遺言の中身についての相談には応じていません。この制度は保管をするもので、遺言の有効性を保証するものではない、とも案内されています。中身の相談先は、あくまで専門家です。

親御さんと話すきっかけが欲しい方は、こちらもどうぞ:実家の親に終活を切り出す言い方の実例5つ

よくある質問

Q. エンディングノートは市販のものを買うべきですか。
A. 大学ノートでも構いません。項目に迷う方は、見出しが印刷された市販のものが書きやすいです。

Q. 鉛筆で書いてもいいですか。
A. エンディングノートは自由です。書き直す前提なら鉛筆でも構いません。ただし遺言書は消えない筆記具で書きます。

Q. エンディングノートに財産の分け方を書けば、そのとおりになりますか。
A. 一般的には、法律上の効力はないとされています。分け方まで決めたいときは、遺言書を検討し、専門家にご相談ください。

Q. 遺言書保管制度の手数料は、毎年かかりますか。
A. 保管の申請は1通につき3,900円で、保管年数にかかわらず定額とされています。閲覧や証明書の交付には別に手数料がかかります。

Q. 預けた遺言書を書き直したくなったら、どうしますか。
A. 保管の申請を撤回する手続きがあります。撤回に手数料はかからないとされています。手順は遺言書保管所に確認してください。

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今日のチェックリスト

今日は、ここまでで十分です。

今日やること できたら
ノートを1冊用意する(大学ノートで構いません)
最初の1ページに、基本情報・連絡してほしい人・お金の置き場所を書く
財産の分け方まで決めたくなったら、専門家に相談すると決めておく

一度に全部やろうとしなくて大丈夫です。今からで、間に合います。

参考:法務省「自筆証書遺言書保管制度」(02 制度の概要07 管轄・遺言書保管所一覧09 手数料10 通知

画像:Pixabay