公正証書遺言はオンラインで作れる?流れと注意点

相続の基本

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「公正証書遺言」を作るには、公証役場に何度も足を運ぶ必要がある。そう思っている方も多いのではないでしょうか。実は2025年10月から、手続きの一部がオンラインでできるようになりました。今日は「何が変わったのか」「どこまでオンラインでできるのか」を、公証人連合会と法務省の一次情報をもとにやさしく見ていきます。

結論:一部はオンラインでできる。ただし全部ではない

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イメージ(AI生成)

2025年10月1日から、公正証書を作る手続き全体がデジタル化されました。遺言公正証書もこの対象に含まれています。ただし「すべてスマホで完結する」わけではありません。ウェブ会議を使えるのは手続きの一部だけで、使えるかどうかは公証人の判断にもよります。ここは誤解しやすいところなので、まず押さえておきましょう。

参考:日本公証人連合会「2025年10月1日から公正証書の作成手続がデジタル化されます」(2025年9月8日付)https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/20250908-2.html

オンライン化されたのはどの部分?

大きく分けると、次の3つの場面でデジタル化・リモート化が進みました。

①申し込み(嘱託):これまでは公証役場へ出向いて申し込む必要がありました。今は印鑑証明書の提出や、マイナンバーカードの電子証明書を使った電子署名で、メールなどのやり取りだけで申し込めるようになっています。

②内容の確認・打ち合わせ:ご本人が希望し、公証人が「ウェブ会議でも問題ない」と判断した場合に限り、自宅からの参加が認められます。ここは公証人の裁量が大きく、必ず使えるとは限りません。あわてず、まずは公証役場に相談してみることをおすすめします。

③書類の作成・保存:原則として電子データで作られ、電子サインで手続きが進みます。

参考:日本公証人連合会「Web会議を利用した公正証書の作成の流れについて」(2025年9月22日付)https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/20250922.html/法務省民事局「公正証書に係る一連の手続のデジタル化について」https://www.moj.go.jp/content/001447151.pdf

本人確認と電子署名の仕組み

ウェブ会議の最初には、マイナンバーカードや運転免許証など、顔写真つきの身分証明書を画面に映して確認します。署名の場面では、パソコンの画面上で電子サインをする形になり、印鑑は使いません。このとき使う機器はパソコンが基本で、カメラ・マイク・スピーカーが必要です。タブレットやスマホでは、署名時の本人確認が同時にできないため使えないとされています。ここは意外に思うかもしれませんが、事前に機材を確認しておくと当日あわてずに済みます。

従来の方法との違い

項目 従来の方法 ウェブ会議を使う場合
申し込み 公証役場へ出向く 電子証明書等でメール等のやり取りが可能
内容の確認 公証役場で対面 公証人が認めた場合、自宅から参加可
本人確認 対面で確認 画面上で身分証明書を提示
署名 押印 電子サイン(パソコンが必要)

参考:法務省民事局「公正証書に係る一連の手続のデジタル化について」https://www.moj.go.jp/content/001447151.pdf

誰でもすぐ使える制度ではない

この制度は全国の公証役場が対象ですが、役場ごとに準備の進み具合に差があるとされています。また、遺言には証人2名の立ち会いが必要です(民法969条)。証人がリモートで参加できるかどうかは、一般的には公証役場ごとの取り扱いによるとされていますので、利用を考える場合は最寄りの公証役場に直接確認することをおすすめします。ここだけは、思い込みで進めず必ず問い合わせてくださいね。

手数料についても、財産額に応じた従来の算定方式が基本になりますが、個別の金額は公証役場ごとの案内で確認するのが確実です。

専門家への相談を

遺言の内容や証人の手配、相続財産の分け方は、ご家庭の事情によって最適な方法が変わります。一般的には、公正証書遺言を検討する段階で、まず公証役場や司法書士・弁護士などの専門家に相談することが勧められています。どの専門家に頼めばよいか迷ったときは、相続の相談はどこにする?専門家の違いと費用もあわせてご覧ください。今からで大丈夫です。焦らず、まずは相談の予約から始めてみましょう。

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まとめ

公正証書遺言は、2025年10月から手続きの一部がオンラインでできるようになりました。ただし完全なリモート化ではなく、ウェブ会議を使えるかどうかは公証人の判断次第です。まずは最寄りの公証役場に相談してみることから始めましょう。

今日からできる3つのこと

□ 最寄りの公証役場にウェブ会議対応の可否を電話で聞いてみる
□ マイナンバーカードの電子証明書の有効期限を確認しておく
□ 遺言の内容や証人について、家族や専門家と話す時間を作る

よくある質問

Q. 公正証書遺言はスマホだけで全部作れますか?
A. いいえ。申し込みや署名はパソコンとカメラ・マイクが必要とされており、スマホやタブレットだけでは手続きが完結しないとされています。

Q. 自筆証書遺言書保管制度と同じものですか?
A. 別の制度です。自筆証書遺言書保管制度は、手書きの遺言書を法務局が預かる制度で、今回のオンライン化とは仕組みが異なります。詳しくは遺言書の法務局保管制度とは?をご覧ください。混同しないよう注意しましょう。