お盆に実家に集まったら、実家がこれからどうなるかを親と話しておきたい。そう考える方は多いと思います。でも、いきなり「売るの?残すの?」と聞くと、親は身構えてしまいます。
今日は、実家の将来について親とどんな順番で話せばいいかを紹介します。この記事は答えを出す場ではなく、親の希望を聞く場にするための話し方が中心です。以前の記事では「実家の片付け」(モノの整理)を扱いました。今回は「住まいそのものをこれからどうするか」という別のテーマです。
答えを急がなくて大丈夫です

実家の将来は、一度の帰省で決められることではありません。親にとっては、長年暮らした家の話です。子ども側が結論を急ぐと、「もう手放させようとしている」と受け取られることもあります。
大切なのは、まず親がどう考えているかを聞くこと。今回は3つの段階に分けて話す順番を紹介します。ここだけ押さえておけば、話がこじれにくくなります。
| 順番 | 話す内容 | 目的 |
|---|---|---|
| ① | 親がこれからどう暮らしたいか | 希望を聞く(結論を出さない) |
| ② | 誰が実家を管理していくか | 役割のイメージをすり合わせる |
| ③ | 名義・登記がどうなっているか | 事実の確認(手続きの要否を知る) |
参考:話す順番は一般的な進め方の一例です。家庭の事情に合わせて調整してください。
①まず「これからどう暮らしたいか」を聞く
最初の話題は、住み続けたいか、施設や子どもの家の近くに移りたいか、という親自身の希望です。「実家、これからどうする?」と切り出すと、親は身構えがちです。「これからも今の家で暮らしていきたい?」のように、親の気持ちを主語にして聞くと答えやすくなります。
この段階で「売る・貸す・残す」を決める必要はありません。意外に思うかもしれませんが、多くの場合、親自身もまだ考えがまとまっていないことがあります。焦らず、何度かに分けて聞く前提で構いません。
②「誰が管理するか」を決める前に
暮らし方の希望が見えてきたら、次は管理の話です。実家に誰も住まなくなった場合、庭の手入れや建物の点検、固定資産税の支払いなどが発生します。きょうだいがいる場合は、誰か一人に任せきりにせず、役割を分担できないか話しておきましょう。
きょうだい間の分担で迷ったときは、以前の記事「親の介護、きょうだいの分担どう決める?もめない話し合い方」も参考にしてください。管理の話し合いと考え方の型が共通しています。
③名義・登記を確認する
最後に確認したいのが、実家の名義です。すでに親の名義になっているか、祖父母の代のままになっていないか。これは感情的な話ではなく、事実の確認なので、比較的話しやすい段階です。
名義が古いままだと、将来の相続手続きが複雑になることがあります。一般的には、相続の際に不動産の名義変更(相続登記)が必要になるとされています。登記の状況や必要な手続きは家によって異なるため、司法書士など専門家にご相談ください。
また、将来実家を売却する場合の税制にも制度があります。相続した空き家を一定の要件で譲渡したときは、譲渡所得から控除を受けられるとされています。ただし細かい要件と適用期限があります。実際に検討するときは、税理士など専門家にご相談ください。
参考:国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」/国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
話す前に準備しておきたい確認項目
帰省中に効率よく話すために、事前にメモしておくと安心な項目を表にまとめました。すべて埋まっていなくても大丈夫です。分かる範囲から始めましょう。
| 確認項目 | メモ欄の例 |
|---|---|
| 実家の名義(誰の名前になっているか) | 分かる/不明 |
| 固定資産税の納税通知書の保管場所 | 分かる/不明 |
| 権利証や登記識別情報の保管場所 | 分かる/不明 |
| 親が希望する今後の暮らし方 | まだ聞けていない/聞けた |
| 管理を担う人のめど | まだ決めていない/めどあり |
置き場所の聞き方に迷う場合は、以前の記事「親の通帳・保険・印鑑、置き場所の聞き方|お盆に」も参考になります。実家の書類の聞き方は共通する部分が多いです。
よくある質問
Q. 一度で結論まで話す必要がありますか?
A. 必要ありません。今回紹介した3段階を、帰省のたびに少しずつ進める形で構いません。特にお盆のような短い帰省では、①の希望を聞くだけでも十分な進展です。
Q. 親が話したがらない場合はどうすればいいですか?
A. 無理に進めず、いったん話題を置いておきましょう。「また今度、実家のことも聞かせてね」と伝えておくだけでも、次に話しやすくなります。あわてなくて大丈夫です。
まとめ
実家の将来は、①暮らし方の希望→②管理する人→③名義・登記の確認、の順で話すのがおすすめです。親の気持ちに寄り添いながら進められます。今日から始められることを、チェックリストにまとめました。
| チェックリスト |
|---|
| □ 親に「これからどう暮らしたいか」を聞いてみた |
| □ 管理を担う人について家族で話す時間を作った |
| □ 実家の名義・登記の状況を確認した(不明なら専門家への相談を検討) |


