Apple IDは死後どうなる?家族に託す設定

デジタル終活

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スマホの中には、写真もメッセージも、たくさんの思い出が入っています。では、Apple ID(iPhoneやiPadを使うためのアカウント)は、持ち主が亡くなったあとどうなるのでしょう。今からできる備えと、家族に残す手続きを、やさしく見ていきます。あわてなくて大丈夫です。

Apple IDは、そのままでは家族も開けません

Apple IDは死後どうなる?家族に託す設定のイメージイラスト
イメージ(AI生成)

Appleは利用者のプライバシー(個人の情報を守ること)をとても大切にしています。そのため、家族であっても、故人のApple IDやiCloudのデータに勝手に入ることはできません。パスコードがわからないiPhoneは、中身を見られないまま、という例も少なくありません。

そこで知っておきたいのが「故人アカウント管理連絡先」という仕組みです。英語では「レガシーコンタクト」と呼ばれます。元気なうちに信頼できる人を登録しておくと、万が一のとき、その人がデータを受け取れるようになります。ここだけ押さえておけば大丈夫です。

故人アカウント管理連絡先とは

これは、自分が亡くなったあとにApple IDの一部のデータへアクセスできる人を、自分で選んでおく仕組みです。相手はApple製品やApple Accountを持っていなくてもかまいません。13歳以上であれば申請できます(年齢の基準は国や地域によって変わります)。1人だけでなく、複数の人を登録することもできます。

受け取れるデータと、受け取れないデータがあります。下の表で確認してみましょう。

受け取れる主なデータ 受け取れないデータ
iCloud写真 購入した映画・音楽・ブック
メモ・メール・連絡先 サブスク(定額サービス)・アプリ内購入
カレンダー・リマインダー Apple AccountやApple Payの支払い情報
iCloudに保管されているメッセージ・通話履歴 iCloudキーチェーンの中身
(パスワード・パスキー・Wi-Fiのパスワードなど)
iCloud Driveのファイル・ボイスメモ・ヘルスケアのデータ
Safariのブックマークとリーディングリスト
iCloudバックアップに含まれる項目一式

参考:Apple サポート「故人アカウント管理連絡先がアクセスできるデータ」(2026年4月16日公開)

パスワードや支払い情報は引き継げません。ここ、迷いやすいところです。あくまで写真やメッセージなどの思い出が中心、と考えておくと安心です。

設定は数分でできます

設定にはiOS 15.2・iPadOS 15.2以降、またはmacOS Monterey 12.1以降が必要です。Apple Accountの2ファクタ認証(本人確認を2段階で行う設定)も必要になります。多くのアカウントでは、すでに有効になっています。

iPhoneでの手順を、表で見ていきます。

手順 やること
1 「設定」を開き、いちばん上の自分の名前をタップ
2 「サインインとセキュリティ」を選ぶ
3 「故人アカウント管理連絡先」をタップ
4 「連絡先を追加」を選び、託したい人を指定(Face IDなどの認証を求められます)
5 「アクセスキー」の渡し方を選ぶ(iMessageで送る/印刷する)

参考:Apple サポート「Apple Accountの故人アカウント管理連絡先を追加する方法」

Macでも、システム設定から同じ項目に進めます。ファミリー共有のグループに入っていれば、その中から相手を選べます。それ以外の人も、電話番号やメールアドレスで指定できます。ここまでできたら、ひと休みしましょう。

アクセスキーはどこに保管する?

アクセスキーは、あとから再発行できません。Appleは「紛失したアクセスキーへのアクセスや交換は承れない」と明記しています。保管の仕方だけは、慎重に決めておきましょう。

渡し方・保管場所 特徴 気をつけたいこと
iMessageで送る 相手が受け入れると、相手のApple Account設定に自動で保存される お互いにiMessageが有効でないと選べません
印刷して手渡す スマホが使えない相手にも渡せる 紛失・置き場所忘れに注意
相続関係の書類と一緒に保管 いざというときに家族が見つけやすい 保管場所を一言伝えておく

おすすめは、印刷した控えを大切な書類と一緒に置いておく方法です。合言葉が見つからないと、せっかくの登録も使えません。「どこに置いたか」を家族に一言伝えておきましょう。

いざというとき家族がすること

家族が故人のデータを受け取るには、次の2つが必要です。ひとつはアクセスキー。もうひとつは、亡くなったことがわかる公的書類です。日本では、死亡証明書のかわりに、アカウント所有者の死亡の記載がある戸籍謄本が必要になる場合があるとAppleは案内しています。

申請の窓口は2つあります。準備するものと合わせて、下の表にまとめました。

項目 内容
申請の窓口 ①iPhone・iPadの「設定」→「サインインとセキュリティ」→「故人アカウント管理連絡先」→故人の名前→「アクセスを要求」
②Appleの「デジタル遺産」ウェブサイト(digital-legacy.apple.com)
必要なもの アクセスキー/死亡の事実がわかる公的書類
書類のデータ形式 PDF・PNG・TIF・JPEG・GIF。300dpiまたは3300×2550ピクセル以上、四隅まで写っていて判読できること
審査 Appleが内容を審査。受付時と審査完了時にメールで連絡。進み具合は「デジタル遺産」サイトでも確認できる
承認後 専用のApple Accountが案内される。iCloud.comでサインインしてデータを見られる
アクセスできる期間 最初の申請が承認された日から3年間。その後、故人のアカウントは完全に削除される

参考:Apple サポート「故人アカウント管理連絡先としてApple Accountへのアクセスを申請する」

3年で消える点は、ぜひ覚えておきたいところです。残しておきたい写真は、承認されたら早めにダウンロードしておきましょう。データはprivacy.apple.comからまとめて取り出せます。

なお、申請が承認されると、故人のデバイスのアクティベーションロック(他人が使えないようにする鍵)も解除されます。ただし、そのiPhoneやiPadを別のApple Accountで使うには、いったん消去して復元する必要があります。

まだ設定していない家族のために

もし故人が管理連絡先を登録していなかった場合でも、道が閉ざされるわけではありません。Appleは、ご遺族がアカウントへのアクセスや削除を申請する仕組みを用意しています。死亡証明書に加えて裁判所命令などが必要になることもありますが、日本を含む一部の地域では、裁判所命令の代わりとなる書類や手続きが認められているとAppleは案内しています。

状況 できること 主に必要なもの
管理連絡先に登録されていた データへのアクセスを申請 アクセスキー+死亡の事実がわかる書類
登録されていなかった アクセスまたは削除を申請 死亡の事実がわかる書類(場合により裁判所命令など)
データは不要で消したい アカウントの完全削除を申請 申請者のApple Account+法的書類

参考:Apple サポート「亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する」(2026年8月24日公開)

手続きは、どうしても時間と手間がかかります。デジタルの遺品整理は範囲が広く、専門のサービスに相談する方法もあります。

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手続きや権利にかかわる具体的な判断は、個別のケースによって変わります。心配なときは、専門家や各サービスの公式窓口にご相談ください。

よくある質問

Q. 管理連絡先に登録した相手に、今の写真を見られてしまいませんか。
A. いいえ。登録しただけでは相手はデータを見られません。持ち主が亡くなったあと、アクセスキーと公的書類をそろえて申請し、Appleの審査が通ってからアクセスできるようになります。

Q. 登録した相手を、あとから変えられますか。
A. できます。同じ「サインインとセキュリティ」の画面から、管理連絡先の追加や削除ができます。家族の状況が変わったときは、見直してみましょう。

Q. アクセスキーをなくしたら、再発行してもらえますか。
A. できません。Appleは、紛失したアクセスキーの再発行や交換には応じないと案内しています。その場合は、ご遺族としてアクセスや削除を申請する別の手続きを検討することになります。

Q. 相手がAndroidを使っていても登録できますか。
A. 登録できます。管理連絡先はApple製デバイスやApple Accountを持っていなくてもかまいません。ただしアクセスキーの受け渡しは、印刷して渡す方法になります。

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今日のチェックリスト

iPhoneを最新のiOSに更新する
「故人アカウント管理連絡先」に信頼できる人を登録する
アクセスキーを印刷し、大切な書類と一緒に保管する

参考:Apple サポート「Apple Accountの故人アカウント管理連絡先を追加する方法」「故人アカウント管理連絡先としてApple Accountへのアクセスを申請する」「故人アカウント管理連絡先がアクセスできるデータ」「亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する」