住所変更登記の義務化はいつまで?2026年4月開始の新ルール

相続の基本

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更新日:2026年8月18日

住所変更登記(引っ越しのあとに、不動産の登記簿の住所を直す手続き)が、2026年4月1日から義務になりました。「うちも関係あるの?」と不安になった方へ、やさしく見ていきます。あわてなくて大丈夫です。順番に確かめていきましょう。

先に結論

住所変更登記の義務化はいつまで?2026年4月開始の新ルールのイメージイラスト
イメージ(AI生成)

家や土地をお持ちの方は、住所が変わったら2年以内に登記の住所変更を申請することが義務になりました。2026年4月1日より前の引っ越し分も対象で、こちらは2028年(令和10年)3月31日までとされています。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料(行政上の金銭的なペナルティ)の対象です。ただし、いきなり罰則にはなりません。

まずは要点を表にまとめます。ここだけ押さえておけば大丈夫です。

項目 内容
いつから 2026年(令和8年)4月1日から義務化
誰が対象 不動産の所有権の登記名義人(家や土地の名義をお持ちの方)
いつまでに 住所などが変わった日から2年以内
過去の引っ越し分 2028年(令和10年)3月31日まで
守らなかったとき 正当な理由がなければ5万円以下の過料の対象
かんたんな方法 「検索用情報の申出」をしておくと、あとは法務局が登記してくれる(スマート変更登記)

出典:法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」(2026年8月18日時点の案内による)

住所変更登記の義務化、いつまでに何をする?

法務省の案内によると、期限の考え方は2通りに分かれます。ここ、迷いやすいところです。

あなたの状況 期限 ひとこと
2026年4月1日以降に住所が変わった 変更の日から2年以内 引っ越しの荷ほどきが終わったら手帳に期限を書く
それより前に引っ越し、登記は昔の住所のまま 2028年3月31日まで 実はいちばんの対象。心当たりがあれば早めに
結婚・離婚などで氏名が変わった 上と同じ考え方 住所だけでなく氏名の変更も対象

「ずっと前に引っ越したままだった」という方が、いちばん見落としやすい立場です。心当たりがあれば、登記簿の住所を一度確かめておきましょう。

自分が対象かどうかは、3つの質問でわかります

むずかしく考えなくて大丈夫です。次の質問に「はい」が並ぶかどうかで見当がつきます。

質問 「はい」のとき
1 自分の名義の家・土地・マンションがありますか 対象になる可能性があります
2 登記したあとに引っ越しや氏名の変更をしましたか 登記簿が古いままかもしれません
3 そのとき、登記の住所変更もしましたか 「いいえ」なら手続きが必要です

登記簿の今の記載は、法務局の窓口やオンラインで登記事項証明書を取れば確かめられます。持ち家が複数ある方は、1件ずつ確認しておくと安心です。

義務化されても、いきなり過料にはなりません

ここは心配しすぎなくてよいところです。法務省は、義務違反がわかっても直ちに裁判所へ通知するわけではない、と説明しています。手順はおおむね次の流れとされています。

順番 何が起きるか このとき何をする
1 登記官が義務違反に気づく
2 法務局から「期間内に申請してください」という催告が届く ここで申請すれば過料の話にはなりません
3 正当な理由なく、なお申請しない 過料の手続きに進むとされています

また、重い病気がある場合や、経済的に費用を負担するのがむずかしい場合などは「正当な理由」と認められることがあります。事情のある方は、法務局や司法書士などの専門家にご相談ください。個別のケースの判断は専門家に確かめるのが確実です。

手続きは2つのルートから選べます

「登記の手続きは難しそう」と感じるかもしれません。今は、先に1回だけかんたんな申出をしておく方法があります。法務省はこれを「スマート変更登記」と案内しています。2つのルートを比べてみます。

スマート変更登記(検索用情報の申出) 自分で変更登記を申請
やること 検索用情報の申出を1回しておく 住所が変わるたびに申請する
そのあと 法務局が確認して職権で登記してくれる 毎回自分(または司法書士)が手続き
費用 登録免許税はかかりません 不動産1個につき1,000円
主な添付書類 多くの場合、本人確認書類の写しのみ 住民票の写し(または戸籍の附票)など
押印・電子署名 不要とされています 申請方法により必要な準備あり
利用できる方 国内に住所がある個人の登記名義人 制限なし

出典:法務省「検索用情報の申出について(職権による住所等変更登記関係)」「検索用情報の申出に関するQ&A」

検索用情報の申出は2025年(令和7年)4月21日から受け付けが始まっており、職権での登記は義務化と同じ2026年4月1日から動き出したとされています。窓口で職員の方に聞きながら進めることもできます。

自分で申請するときの費用と書類

スマート変更登記を使わず、自分で申請する場合の目安です。金額は不動産の数で変わります。

不動産の数 登録免許税の目安
土地1筆のみ 1,000円
土地1筆+建物1戸 2,000円
土地2筆+建物1戸 3,000円

前提:登録免許税は不動産1個につき1,000円として計算(法務局の案内による)。司法書士に依頼する場合の報酬は別途かかります。

申請書の提出は、法務局の窓口・郵送・オンラインから選べます。オンラインはマイナンバーカードや事前の設定が必要になるため、パソコンの操作に慣れていない方は窓口か郵送のほうが気楽かもしれません。

相続登記の義務化とは、別のルールです

ニュースで見た「相続登記の義務化」と混同しやすいので、違いを並べておきます。どちらも所有者不明土地を減らすための改正ですが、期限も過料の額も違います。

住所等変更登記 相続登記
開始 2026年4月1日 2024年4月1日
きっかけ 引っ越し・氏名の変更 相続で不動産を取得したこと
期限 変更から2年以内 取得を知った日から3年以内
過料の上限 5万円以下 10万円以下
かんたんな方法 スマート変更登記 相続人申告登記

終活の視点では「家族が困らないため」の手続きです

登記簿の住所が古いままだと、将来の相続のときに、名義人がどこの誰なのかをたどる手間が増えます。所有者の連絡先がわからない「所有者不明土地」を減らすことが、この義務化の背景だと法務省は説明しています。

住所を最新にしておくことは、自分のためというより、あとに続く家族への思いやりです。相続の手続き全体の流れは相続手続きの期限まとめで確かめられます。不動産の情報はエンディングノートに書き残しておくと、より安心です。所在地・地番・家屋番号までメモしておくと、家族が登記簿を調べるときに助かります。

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個別のケースは、司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

よくある質問

Q1. 賃貸住まいでも関係ありますか?

A. 登記の名義を持っていなければ、この義務の対象ではありません。対象になるのは、家や土地の所有者として登記されている方です。ただし親名義の不動産がある場合は、親の登記住所が最新かを家族で確かめておくと安心です。

Q2. 昔の引っ越し分は、いつまでに手続きすればよいですか?

A. 2026年4月1日より前の住所変更で登記が古いままの場合も対象とされ、期限は2028年3月31日までです。まだ時間はありますが、相続などほかの手続きと重なると大変です。早めに済ませておきましょう。

Q3. 同じ市内での引っ越しや、住居表示の変更も対象ですか?

A. 登記簿の住所の記載と実際の住所が違ってしまうなら、同じ市内の引っ越しでも考え方は同じです。市町村の側の事情で表示が変わった場合の扱いは、ケースによって違うことがあります。ご自身の登記簿を持って、法務局に確認してみてください。

Q4. 結婚して名字が変わったときも手続きが要りますか?

A. このルールは住所だけでなく、氏名や名称の変更も対象とされています。名字が変わって登記が旧姓のままなら、同じように変更の手続きを考えておきましょう。

Q5. 費用や具体的なやり方がわからないときは?

A. お近くの法務局の窓口や電話相談で案内を受けられます。手続きを任せたい場合の相談先は司法書士です。事情があるときの「正当な理由」も個別に判断されるとのことです。まずは専門家にご相談ください。

最後に、今日のチェックリストです。

□ 家や土地の登記簿の住所が、今の住所と同じか確かめた

□ 古い住所のままなら、2028年3月31日までの期限を手帳に書いた

□ 不動産の情報をエンディングノートに書き残した

参考:法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」/法務省「検索用情報の申出について」/法務省「検索用情報の申出に関するQ&A」/法務局「所有者の住所変更の登記」