詐欺SMSの見分け方|シニアが夏に注意する3パターン

シニアのスマホ入門

スマホに届く詐欺SMSの見分け方を、シニアの方に向けてやさしくまとめます。夏は宅配や料金をかたるメッセージが増える時期です。あわてなくて大丈夫。国民生活センターとフィッシング対策協議会の公表情報をもとに、落ち着いて見分けるコツを順番に見ていきます。

詐欺SMSとは?本物そっくりのメッセージが届きます

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イメージ(AI生成)

詐欺SMS(ショートメッセージを使った詐欺)は、宅配業者や電力会社、銀行など、実在する会社になりすまして送られてきます。SMSを使ったものは「スミッシング」とも呼ばれます。

本文にはURL(リンク)が書かれています。そこを開くと、本物そっくりの偽サイトが出てきます。そこにIDやパスワード、クレジットカード番号を入れてしまうと、その情報が盗まれてしまいます。

国民生活センターには、こうした被害の相談が数多く寄せられています。宅配業者を名乗るSMSのURLを開いて情報を入力し、11万円を不正に使われた60歳代の例が報告されています。ETCカードの更新を装うメールで、1万2千円を使われた70歳代の例もあります。ここは知っておくだけで防ぎやすくなります。

いま、どれくらいの数が届いているのか

数字で見ておくと、身構えすぎずに済みます。フィッシング対策協議会に寄せられた報告件数は、月によって大きく上下します。

2026年 報告件数 前月との比較
2月 57,096件 大きく減少
3月 122,381件 65,285件の増加
4月 151,112件 約23.5%の増加
5月 126,061件 約20.5%の減少
6月 72,370件 約42.6%の減少

出典:フィッシング対策協議会「月次報告書」(2026年2月〜6月)

2026年6月に名前をかたられた会社は98ブランドにのぼります。減った月でも、月に7万件を超える報告が届いている状況です。

お金の被害も出ています。警察庁のまとめでは、令和7年(2025年)のインターネットバンキングの不正送金は4,747件でした。被害総額は約103億9,700万円です。その手口の約9割をフィッシングが占めるとされています。

ただ、これは「誰もが必ず引っかかる」という意味ではありません。次の見分け方を知っていれば、多くは入口で止められます。

夏に増える詐欺SMSの3パターン

報告されている手口には、いくつかの型があります。代表的な3つを表にまとめました。どれも「不安をあおって、URLを開かせる」のが共通点です。

パターン よくある文面 ねらい
①宅配の不在通知 「お荷物をお届けしましたが不在でした。下記より確認を」 URLを開かせて情報を入力させる
②料金・カードの警告 「料金の未納があります」「カードの更新が必要です」 不安をあおって番号を入れさせる
③不正利用のお知らせ 「不正な利用が確認されました。確認してください」 あわてさせてログインさせる

かたられる名前は時期によって変わります。2026年6月には、電力会社やクレジットカード会社、国税庁、通販サイトを装う文面が報告されています。年金や住民税の納付をよそおうものも確認されました。

夏は特に、宅配便や料金系のメッセージが増えるといわれています。心当たりがあるときほど、つい開いてしまいがちです。ここが、いちばん気をつけたいところです。

本物と偽物を見分ける5つのポイント

完全に見た目だけで判断するのは、正直むずかしくなっています。それでも、次の5点を見る習慣があると、かなり違います。

見るところ あやしいサイン
送信元の番号 海外の番号や、見慣れないアルファベットの表示になっている
本文のURL 会社名と関係のない文字列や、短縮された短いURLになっている
急がせる言葉 「本日中に」「至急」「停止します」と、時間で追い立ててくる
求めてくる情報 カード番号・暗証番号・ワンタイムパスワードを入力させようとする
心当たり そもそも注文していない、契約していない会社から届いている

とはいえ、見分けようと頑張らなくても大丈夫です。いちばん確実なのは、次の一手です。

やってはいけないのは、この3つ

見分ける一番のコツは、「メッセージのURLを直接開かない」ことです。荷物や料金を確かめたいときは、SMSのリンクを使わないでください。ふだん使っている公式アプリや、自分でブックマークした正規のサイトから確認しましょう。

やってはいけないこと 代わりにすること
SMSのURLを開く 公式アプリ、またはブックマークした公式サイトから確認する
ID・パスワード・カード番号を入力する 入力の前に一度手を止め、その手続きが本当に必要か確かめる
メッセージのリンクからアプリを入れる アプリはApp StoreやGoogle Playなど公式ストアから入れる

本物の会社が、SMSのリンクから個人情報やカード番号を入力させることは、基本的にありません。少しでも「おかしいな」と思ったら、いったん立ち止まって大丈夫です。返信も、電話のかけ直しも不要です。

届く数そのものを減らす、3つの設定

見分ける前に、そもそも届く数を減らせます。どれもスマホの設定でできることです。

設定 効果 むずかしさ
SMSフィルターを有効にする 不審なSMSが自動で振り分けられ、目に入る数が減る やさしい
パスワードを使い回さない 1つ漏れても、他のサービスに入られるのを防げる やさしい
多要素認証やパスキーを設定する パスワードが漏れても、それだけではログインされにくくなる ふつう

設定の場所がわからないときは、ご家族に「SMSフィルターを入れて」と一言頼むだけで済みます。一人で全部やらなくて大丈夫です。

もし情報を入れてしまったら

もし入力してしまっても、あわてないでください。入れてしまった情報によって、やることが変わります。

入力してしまったもの すぐにやること
ID・パスワード 公式アプリか公式サイトからパスワードを変更する。同じものを使っている他のサービスも変える
クレジットカード番号 カード会社に連絡して利用を止める。必要ならカードを再発行してもらう
銀行のログイン情報 銀行に連絡する。利用明細に身に覚えのない取引がないか確認する
リンクを開いただけ 情報を入れていなければ被害の可能性は低い。念のためログイン履歴を確認する

ふだんから、IDやパスワードを複数のサービスで使い回さないことも、被害を小さくするコツです。困ったときは、一人で抱えず、消費者ホットライン188(いやや)に相談できます。緊急ではない相談は、警察相談専用電話「#9110」も使えます。

よくある質問

Q. 開いてしまっただけでも、お金は取られますか。
A. リンクを開いただけで、情報を何も入力していなければ、被害が出る可能性は低いとされています。念のため、そのサービスのログイン履歴を確認しておくと安心です。

Q. 詐欺SMSに返信して「やめてください」と言ってもいいですか。
A. 返信はしないほうが安心です。返信すると、その番号が「使われている番号」だと相手に伝わってしまいます。何もせず削除して大丈夫です。

Q. 家族が入力してしまったようです。まず何をすればいいですか。
A. 何を入力したかを落ち着いて聞き取り、パスワードの変更やカード会社への連絡を進めてください。責めないことが大切です。判断に迷うときは消費者ホットライン188に相談できます。

Q. 本物のSMSかどうか、電話で確かめてもいいですか。
A. その場合は、SMSに書かれた電話番号にはかけないでください。公式サイトや請求書に載っている正規の番号を自分で調べて、かけ直しましょう。

今日の3つのチェック

□ SMSのURLは開かず、公式アプリかブックマークから確認する
□ ID・パスワード・カード番号は、SMS経由では入力しない
□ 入力してしまったら、すぐパスワード変更+カード会社に連絡(迷ったら188)

スマホの基本をもう少し整えたい方は、シニアのスマホ整理|アプリは3画面までですっきりもあわせてどうぞ。写真やデータの備えについては、スマホの写真、死後はどうなる?で紹介しています。あわてず、できることから少しずつ進めていきましょう。

参考:国民生活センター「SMSやメールでのフィッシング詐欺に注意」(見守り新鮮情報 第479号)/フィッシング対策協議会「2026/06 フィッシング報告状況」「今すぐできるフィッシング対策」/警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」