エンディングノートのパスワードの安全な残し方|そのまま書かない

エンディングノート

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エンディングノートにパスワードをそのまま書くのは避けましょう。ノートは家族より先に、他人の目に触れることがあるからです。結論はシンプルです。「ヒントで書く」「本体と手がかりを分けて保管する」。この2つで、安全に家族へ引き継げます。今からで大丈夫。順番に見ていきます。

そのまま書くのは避けましょう

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イメージ(AI生成)

まず大前提です。パスワードの一覧をそのまま書くのは避けましょう。エンディングノートは、置き忘れや紛失の可能性があります。介護や入院で、家の中を第三者が出入りすることもあります。ノートが1冊見つかっただけで、銀行や買い物のサービスまで全部開けてしまう。この状態がいちばん危険です。

一方で、何も残さないのも困りものです。国民生活センターには「亡くなった人のスマホが開けず、ネット銀行の手続きが進まない」「サブスク(定額課金サービス)を止めたいのにIDとパスワードが分からない」といった相談が寄せられています。同センターは2024年11月に「デジタル終活」として、生前の備えを呼びかけました。書かなすぎても、書きすぎても困る。だからこそ、書き方の工夫が大切なのです。

残し方は3つ|まず全体を比べてみましょう

パスワードの残し方は、大きく3つあります。先に全体を比べておくと、自分に合う形を選びやすくなります。

残し方 安全性 家族の分かりやすさ 向いている人
そのまま一覧で書く 低い(見られたら全部使える) 高い おすすめしません
ヒントで書く+分けて保管 高い(片方だけでは使えない) 中〜高(家族なら思い出せる) 紙のノート派の方
パスワード管理アプリ 高い(数が多くても安全) 中(アプリの合言葉は別途必要) サービス数が多い方

迷ったら、真ん中の「ヒントで書く+分けて保管」から始めましょう。紙だけで完結するので、スマホが得意でなくても大丈夫です。

「ヒント」で書くという考え方

おすすめは、パスワードそのものではなく「思い出せるヒント」を書く方法です。IPA(情報処理推進機構)は、覚えやすい共通の核(コアパスワード)を暗記し、サービスごとの目印だけを紙や電子ファイルに記録する管理方法を紹介しています。核と目印を別々に管理すれば、紙をなくしても、それだけでは悪用されにくいという考え方です。

エンディングノートに書いてよいこと、避けることを整理すると、次のようになります。

ノートに書いてよいこと ノートに書くのを避けること
使っているサービス名(例:〇〇銀行のアプリ) パスワードの文字列そのもの
IDやユーザー名(メールアドレスなど) 暗証番号(キャッシュカード等)
家族だけ分かるヒント(例:いつもの言葉+孫の誕生日) ヒントの答えそのもの
手がかりメモの保管場所を示す一言 秘密の質問の答えの一覧

ヒントは「本人と家族だけが分かる手がかり」にするのがコツです。第三者が見ても分からない。でも家族なら思い出せる。この形が理想です。ここだけ押さえておけば大丈夫です。あわせてエンディングノートの書き方もご覧ください。

本体と鍵を分けて保管する

もうひとつ大事なのが、保管の分け方です。ノート本体と、パスワードの手がかりを書いた紙を、別の場所にしまいます。片方だけ見つかっても悪用されにくくなります。分け方の例を挙げます。

分けるもの 置き場所の例 家族に伝えること
エンディングノート本体 自宅の引き出し・本棚など ありか(場所)だけ伝える
パスワードの手がかりメモ 本体とは別の引き出し・封筒など 「ノートに探し方を書いた」と伝える
ヒントの核(覚えの言葉) 自分の頭の中(書かない) 家族なら思い出せるヒントにする

少し手間に感じるかもしれません。でも、やることは「しまう場所を2つに分ける」だけです。あわてなくて大丈夫です。

パスワード管理アプリという選択肢

数が多くて手に負えないときは、パスワード管理アプリ(パスワードをまとめて保管する専用アプリ)も選択肢です。この場合、エンディングノートには「管理アプリを使っている」ことと「その大事な合言葉のヒント」だけを残します。個々のパスワードを書き並べる必要はありません。デジタル終活の全体像はデジタル終活のやり方にまとめています。

信頼できる人に「ありか」を伝える

どんなに上手に書いても、家族がノートの場所を知らなければ役に立ちません。信頼できる人に、ノートのありかだけは伝えておきましょう。中身まで見せる必要はありません。「ここにある」が分かれば十分です。

国民生活センターも、家族がスマホのロック解除で困らないようにしておくこと、サービス名・ID・パスワードの整理、エンディングノートの活用、そして万一のときにアカウントへアクセスできる人を指名できるサービスの利用を勧めています。指名できるサービスの例はGoogleアカウントの死後設定で紹介しています。スマホの中の写真の備えはスマホの写真、死後はどうなる?も参考になります。

パスワードやネット口座の整理、何から手を付けるか迷ったら、専門サービスに無料で相談できます
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今日からのチェックリスト

最後に、今日できることを3つにまとめます。できるところに印を付けながら進めてみてください。

チェック やること 目安時間
パスワードは「そのまま」ではなく「ヒント」で書く 15分
ノート本体と手がかりのメモを別の場所に保管する 5分
信頼できる人に、ノートのありかだけ伝えておく 5分

なお、アカウントの解約や相続の手続きなど、法律や契約に関わる判断が必要なときは、一般的な情報を確認したうえで、専門家にご相談ください。焦らず、できるところから始めれば大丈夫です。

よくある質問

Q1. エンディングノートにパスワードをそのまま書いてはいけませんか?
避けましょう。ノートは紛失や、他人の目に触れる可能性があります。サービス名やIDは書いてよいですが、パスワードは家族だけ分かるヒントの形で残すのが安全です。

Q2. ヒントはどう書けばいいですか?
「いつもの言葉+孫の誕生日」のように、本人と家族だけが分かる手がかりにします。答えそのものは書かず、覚えの言葉(核)は頭の中に残します。

Q3. 銀行の暗証番号も書いておくべきですか?
暗証番号は書かないでおきましょう。相続の手続きは、暗証番号がなくても金融機関の窓口で進められるのが一般的です。個別のケースは金融機関や専門家にご相談ください。

参考:IPA「不正ログイン被害の原因となるパスワードの使い回しはNG」(2016年8月3日)国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」(2024年11月20日公表)