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家族信託とは、判断能力があるうちに、財産の管理を信頼できる家族へ託しておく制度です。認知症で判断能力が低下すると認知症で口座が凍結される仕組みのように生活上の不便が生じますが、家族信託を使えば、信頼できる家族が本人に代わって財産を管理・活用できます。この記事では、家族信託の仕組みと始める3つの方法、成年後見制度との違いを、法務省が公表した信託制度の資料をもとにやさしく整理します。
家族信託ってどんな仕組み?

家族信託は、法律上の正式名称ではなく、家族間で行う信託(民事信託)を指す通称です。信頼できる家族に財産の管理を任せる点が特徴で、次の3人(または2人)が登場します。ここだけ押さえておけば大丈夫です。
委託者:財産を持っていて、管理を託す人(多くは高齢の親)
受託者:財産を託され、管理・処分を行う人(多くは子など家族)
受益者:財産から生じる利益を受け取る人(委託者自身がなることも可能)
受託者は預貯金の払い戻しや自宅の管理、税金の支払いなどを行い、受益者に生活費を渡します。委託者自身が受益者になる形が一般的です。
参考:法務省民事局「知って活用 信託制度」(令和8年3月公表)
信託を始める3つの方法
家族信託は、なんとなく口約束で始められるものではありません。法務省の資料では、次の3つの方法(信託行為)が示されています。
①契約を結ぶ方法:委託者と受託者が信託契約を結ぶと、その時点で効力が生じます。
②遺言による方法:委託者が遺言に信託の内容を書いておき、本人が亡くなったときに効力が生じます。
③自己信託:委託者自身が受託者を兼ね、公正証書などで意思表示をする方法です。
意外に思うかもしれませんが、契約書や遺言、公正証書といった書面が必要になります。「なんとなく任せた」との大きな違いはここにあります。
参考:法務省民事局「知って活用 信託制度」
家族信託で備えられること
法務省の資料では、次のような活用例が紹介されています。
高齢の方の生活支援:親が委託者兼受益者となり、子を受託者として信託契約を結ぶ形です。子が預貯金の払い戻しや自宅の管理、税金の支払いを行い、親に生活費を渡します。判断能力が衰えた後も、あらかじめ決めた仕組みで生活費や施設利用料の支払いを続けられる点がメリットとされています。
障害のあるお子さんの扶養:親が遺言で親族を受託者に指定し、親の死後にその親族が子の生活を支援する形もあります。生前に信託契約を結び、死後の受益者として子を指定する「遺言代用信託」という方法も紹介されています。
参考:法務省民事局「知って活用 信託制度」活用例1・2
成年後見制度との違い
「認知症への備え」というと成年後見制度を思い浮かべる方も多いはずです。あわてなくて大丈夫です。両者は役割が異なり、法務省の資料では併用もできるとされています。
| 項目 | 家族信託 | 任意後見制度 | 法定後見制度 |
|---|---|---|---|
| 始める時期 | 判断能力があるうちに契約・遺言などで設定 | 判断能力があるうちに公正証書で契約 | 判断能力が低下した後に家庭裁判所へ申立て |
| 効力が生じるとき | 契約締結時など、方法ごとに定められた時点 | 本人の判断能力が不十分になった後 | 家庭裁判所の審判があった後 |
| 財産管理の担い手 | 受託者(家族など) | 任意後見人 | 成年後見人(家庭裁判所が選任) |
| 裁判所の関与 | 原則不要 | 任意後見監督人の選任は必要 | 家庭裁判所が選任・監督 |
参考:法務省民事局「知って活用 信託制度」Q6/法務省「成年後見制度・成年後見登記制度」
一般的には、財産管理を柔軟に進めたい場合は家族信託、身の回りの契約や施設入所の手続きまで任せたい場合は成年後見制度が向いているとされています。実際にどちらを選ぶか、両方を組み合わせるかは、ご家庭の状況によって変わります。
よくある疑問
Q. 受託者が信頼できるか不安なときは?
A. 法務省の資料では、委託者自身が受託者を監督する権限を持つほか、「信託監督人」を選んで受託者を見張ってもらう仕組みも紹介されています。ここが心配な場合は、専門家に相談しながら仕組みを決めると安心です。
Q. 家族信託と成年後見は両方使える?
A. 法務省の資料では、信託と成年後見制度や遺言は役割が異なるため併用できるとされています。どのように組み合わせるかは、弁護士や司法書士などの専門家に相談しながら検討するとよいとされています。
Q. 受託者になった家族は、財産を自由に使える?
A. 一般的には、受託者には信託の目的に沿って財産を管理する義務があり、信託財産と自分の財産を分けて管理する義務も課されています。目的から外れた使い方は認められません。
家族信託を含む生前対策、何から始めればいいか迷ったら
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まとめ
家族信託は、判断能力があるうちに、信頼できる家族へ財産管理を託しておく仕組みです。契約・遺言・自己信託という3つの方法があり、成年後見制度と役割を分けて使うこともできます。今からで大丈夫です。まずは法務省の資料に目を通し、気になる点は専門家に相談することから始めてみてください。
今日のチェックリスト
□ 委託者・受託者・受益者の役割を確認した
□ 信託を始める3つの方法の違いを理解した
□ 成年後見制度との違い・併用の可能性を知った
法律・税務に関わる制度のため、実際に家族信託を検討する際は、弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。どこへ相談すればよいか迷う場合は、家族信託の相談先を専門家別に見ると選びやすくなります。
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