老人扶養控除の条件|親を扶養に入れると税金はどう変わる

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年末調整の書類に「老人扶養親族」という欄があります。去年との違いが気になった方もいるかもしれません。実は令和8年分から、老人扶養控除の条件になる所得の目安が少し変わります。ここでは国税庁の情報をもとに、控除額と条件をやさしく整理します。

老人扶養控除とは?控除額を区分ごとに確認

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老人扶養控除は、その年の12月31日時点で70歳以上の親族を扶養しているときに受けられる所得控除です。控除の対象になる親族は年齢や同居の有無によっていくつかの区分に分かれ、控除額も変わります。区分がいくつもあって少しややこしく感じるかもしれませんが、多くの家庭で関係するのは「70歳以上の親」の欄です。

区分 主な対象 控除額
控除対象扶養親族(一般) 16歳以上の親族 38万円
特定扶養親族 19歳以上23歳未満 63万円
老人扶養親族(同居老親等以外) 70歳以上 48万円
老人扶養親族(同居老親等) 70歳以上・常に同居 58万円

参考:国税庁 No.1180 扶養控除

老人扶養控除の条件|まず「生計を一にする」が土台

控除額の前に、そもそもの条件を確認しておきましょう。扶養控除を受けるための基本は「生計を一にしていること」です。同居していなくても構いません。国税庁は、休みのたびに一緒に過ごしている場合も「生計を一にする」にあたるとしています。常に生活費や療養費を送金している場合も同じです。逆に、同じ家に住んでいても、互いに独立した生活を送っていることが明らかなら該当しないこともあります。

つまり、別居して仕送りをしている親も、まずはこの条件を満たせる可能性があるということです。この土台があってはじめて、次に説明する所得や同居の条件を見ていく流れになります。ただし仕送りの額や暮らしの実態によって、見方が変わることもあります。迷うときは税務署や税理士にご相談ください。

参考:国税庁 No.1180 扶養控除Q&A

老人扶養控除の条件|所得はいくらまで?

次に確認したいのが、対象になる親の「合計所得金額」です。これまでは58万円以下(給与収入だけなら123万円以下)が目安でした。令和8年12月1日に施行される改正で、令和8年分からは62万円以下に変わります。

親の収入が公的年金だけという家庭も多いと思います。65歳以上の方は、年金収入が330万円未満なら公的年金等控除として110万円を差し引けます。そのため目安として、年金収入168万円以下(改正後は172万円以下)であれば所得要件を満たす計算になります。ただし年金以外の収入があると変わってくるので、あくまで目安として考えてください。一般的には合計所得金額で判定するとされていますが、正確な判定は税務署や税理士にご相談ください。

参考:国税庁 No.1180 扶養控除/国税庁「高齢者と税」

「同居老親等」にあたるかどうか|老人ホーム入所と入院の違い

控除額が48万円か58万円かを分けるのが「同居老親等」にあたるかどうかです。ここ、意外と迷いやすいところです。

国税庁の取り扱いでは、老人ホームなどの施設に入所している場合、同居老親等には該当しません。施設が生活の場になるため、同居を常にしているとはいえないためです。一方、病気治療のための入院なら話は別です。結果としてその期間が1年以上の長期になっても、同居として扱ってよいとされています。

老人ホームに入所していても、仕送りなどで「生計を一にする」条件自体は満たせることがあります。ただしその場合の控除額は48万円の区分になり、58万円の同居老親等にはあたりません。在宅で介護していた親が病気で入院した場合と、老人ホームに入所した場合とでは、このように扱いが変わります。判断に迷うときは、税務署や税理士に確認しておくと安心です。

参考:国税庁「同居老親等」の定義/国税庁 質疑応答事例「同居」の範囲

兄弟姉妹の老人扶養控除、遺族年金がある親は対象になる?

きょうだいで親を支えている家庭で、迷いやすい点が2つあります。

1つ目は、兄弟姉妹で扶養控除を分けられるかという点です。国税庁は、兄弟のうち1人だけを扶養控除の対象にできるとしています。それぞれが均等に送金していたとしても、重複して控除を受けることはできません。誰の扶養に入れるかは、事前に話し合っておいたほうがよさそうです。

2つ目は、親が遺族厚生年金や遺族基礎年金を受け取っている場合です。これらの遺族年金は非課税所得にあたるため、合計所得金額には含まれません。つまり、遺族年金だけを受け取っている親であれば、他の所得がなければ扶養控除の対象にできる、というのが国税庁の考え方です。ただし年金以外の収入もある場合は、判断が分かれることがあります。気になるときは税務署や税理士に確認してみてください。

参考:国税庁 No.1180 扶養控除Q&A/国税庁 No.1605 遺族の方に支給される公的年金等

扶養に入れる前に確認しておきたい4つのこと

ここまでの内容を、年末調整の前に確認する4つのポイントとしてまとめました。

確認すること ポイント
①生計を一にしているか 別居でも仕送り等があれば該当することがある
②親の合計所得金額 年金や他の収入を含めて62万円以下か(令和8年分)
③扶養に入れる人 兄弟姉妹のうち1人だけ。重複しないよう事前に相談
④同居か施設入所か 老人ホーム入所は同居老親等にあたらない

もう1つ、見落としやすいのが健康保険との違いです。健康保険の被扶養者になれるかどうかは、税金の扶養控除とは別の制度で、年齢や収入の基準も異なります。加入している健康保険(協会けんぽや組合健保など)にも、あわせて確認しておくと安心です。

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まとめ|老人扶養控除の条件は「生計」「所得」「同居」の3点

老人扶養控除は、次の3点で対象や控除額が変わります。①生計を一にしているか。②親の合計所得金額が62万円以下か(令和8年分)。③同居老親等にあたるか。老人ホーム入所か在宅かでも扱いが変わるので、迷ったら税務署や税理士に確認しておくと安心です。年末調整の書類を書く前に、一度親の状況を確認してみてください。

年末調整前のチェックリスト
①親と「生計を一にする」条件を満たしているかを確認した
②親の年間の所得(年金+他の収入)が62万円以下かを確認した
③同居か老人ホーム入所かを確認し、区分と控除額を把握した

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よくある質問

Q. 老人扶養控除は何歳から対象になりますか?
A. その年の12月31日時点で70歳以上の親族が対象です。同居しているかどうかで控除額が変わり、同居老親等は58万円、それ以外は48万円です。

Q. 親が老人ホームに入所している場合、同居扱いになりますか?
A. 老人ホームなどの施設に入所している場合は同居を常にしているとはいえず、同居老親等には該当しません。一方、病気治療のための入院であれば、期間が1年以上の長期になっても同居として扱ってよいとされています。